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掲載日:2021年3月9日

執筆担当:浅田・坪谷

 キッズファームin京都大原さんは、京都市左京区の大原を拠点とし、親子で一緒に体験できる野菜づくりや食育プログラムを運営しています。「はたけから たべるまで まるごとたいけん!!」と題し、畑での苗植え・収穫から調理して食べるまでを体験できます。

 季節によって活動内容が変わり、様々な体験ができることからもリピーターさんが多いです。畑作業や調理だけではなく、藍染め体験で伝統文化を学んだり、ニワトリの解体・調理から食と命の大切を学ぶプログラムなどもあります。廣瀬さんをはじめとした運営スタッフさんは食に関する知識が豊富なので、初心者でも楽しんで体験することができます。

活動内容を教えてください

 豚汁づくりやお餅つき、味噌づくりなど、親子向け体験イベントの運営サポートが主な活動です。運営のお手伝いをしながら体験もさせてもらい、各回で出来上がった豚汁やお餅は参加者の皆さんと一緒に美味しくいただきました。子どもたちが切ってくれた豚汁の具材は、形も大きさも様々で個性豊かでした。

 キッズファームさんでは調理体験だけではなく、畑での苗植えや収穫体験なども行っています。子どもたちは収穫した野菜を嬉しそうにお母さん・お父さんに見せており、とても楽しんでいる様子が伝わってきました。私たちも立派な大根を収穫し、子どもたちと一緒になって楽しんでしまいました。ボランティアとして参加していましたが、味噌の原料や作り方、野菜がどのように育っているのかなど食について学べる機会になったと感じています。


印象に残っている出来事やエピソードを教えてください

 リピーターの親子とお話したことです。何度も参加したいと思える魅力をお聞きしたところ、「家族で体験できることが魅力的で、子どもの成長を間近で見られて嬉しい」とおっしゃっていました。参加者の皆さんを見ていると、その方の言う通り、お子さんの成功を家族みんなで喜び、一緒に学んでいるようでした。家族で同じ体験を共有することで、コミュニケーションも活発になっているのではないかと思います。

 また、キッズファームさんでは小・中学生のお子さんも運営スタッフとして活動を手伝っています。親御さんは「将来自分の子どもも彼らと同じように成長してほしい」と期待を込めてお話しされていました。子どもたちも少し大人な「お兄ちゃん・お姉ちゃん」が活躍する姿に影響を受けているのではないでしょうか。参加者の方にもお話を伺ったことで、より深くキッズファームさんの活動や場の大切さを知ることができました。

活動を通して得られたことや学んだことを教えてください

 運営スタッフの廣瀬さん、田中さんの動き方や参加者への対応から学ぶことが多かったです。お二人は常に情報を共有しながら参加者を最優先に考えて動いており、ボランティアに対してもわかりやすく指示を出してくださいました。

 畑への移動準備の間、子どもたちを飽きさせないよう絵本の読み聞かせをするなど、わずかな時間や作業も大切にし、参加者と会話をして楽しむ時間を作っておられたことが特に印象に残っています。また、テーブルを拭いたり、皿を洗ったり、子どもができる作業はできる限り子どもたちへ任せていました。餅つきや味噌づくりなどプログラムの体験だけではなく、全体を通して学ぶ場を作っているのだと感じました。子どもたちは終始意欲が高く活動を楽しんでいる様子で、廣瀬さん、田中さんの姿からは子どもの積極性や気持ちを一番に大事にされていることが伝わってきました。

活動に参加する前後でどのような変化がありましたか?

 はじめは子どもたちに食や料理に関する“知識”を教える活動を想定していました。しかし、実際は子どもたち自身がそれぞれのやり方で挑戦し、学んでいく“経験”そのものが重視されていたと感じます。

 例えば豚汁づくりを行ったとき、野菜の切り方や形には一切の指定がありませんでした。子どもたちは各々に切りたい形に食材を切っていきます。切り方の“知識”よりも子どもたちが自分の切った野菜を食べ、どうすれば食べやすいか、実体験を通して学んでいくのだとわかったんです。

 キッズファームさんではその他のプログラムでも、子どもたちが創意工夫をして行う作業は一切否定せず、主体性に委ね、ほめることを大切にされていました。全体の様子を見ていて、自分自身が思っていた以上に子どもたちにはできることが多くあるのだと知り、驚きました。また、幼いときにこのような学びの体験ができることをうらやましくも思います。

今後の学生生活に活かしていきたいことを教えてください

 周りを見ることと意図を理解して行動することです。ボランティアとして積極的に動こうと、ご家族が使い終わった道具を率先して洗っていました。そのとき、運営スタッフの方から「参加者に片付けてもらおうと思っていたんだよ」と指摘を受けたのです。自分の行動にばかり意識が向いていたことで子どもが体験する機会を奪ってしまった、と思い、はっとしました。

 キッズファームさんでは、子どもたちに寄り添いながら興味・関心を引き出し、子どもの積極的な意志を尊重することを大切にしておられます。よく周りを観察して、「そこではどのようなことが大事にされているのか」その目的や行動の意図を理解することが必要だったと感じました。新たな社会に出たとき、様々な人と出会い共に行動するとき、この経験を思い出したいと思います。

最後に、感想とメッセージをお願いします!

【浅田さん】

 キッズファームさんでの活動はとても楽しく、「ボランティアで手伝いに来た」という感覚はあまりありませんでした。運営を手伝いながらも、食について楽しく学べたと思います。参加者の皆さんもスタッフさんも、目的や関心をもって活動されており、私も見習わなければと感化されました。キッズファームさんの活動は、「また行きたい!」と思える工夫がたくさんあります。私も他のプログラムに参加してみたいとも思いました。

【坪谷さん】

 キッズファームさんでの体験は、純粋にとても楽しかったです。お餅つきや、味噌づくりなどは今回の活動がなければ触れる機会もなく過ごしていたと思います。親子で同じことに一生懸命に取り組む様子や、楽しそうな姿はとても新鮮でした。

 普段のアルバイトでは得られないとても有意義な体験でした。今回の活動で自分の視野が少し広がったので、この経験を大切に、今後の学生生活を頑張りたいです。

活動先団体

団体名:キッズファームin京都大原

所在地(活動場所):大原公民館 京都市左京区大原大長瀬町179-1

WEB:https://kidsfarm.tumblr.com/

SNS:https://www.facebook.com/kidsfarm.org

 

[団体の理念・活動概要]

 「はたけ」から「たべる」に至るまでの過程を丸ごと体験していただける場を提供することで普段接している“食べ物”を生産から直接関わり、食べ物に関心を持ってもらうことが狙い。また農薬や化学肥料を使用しない畑には生き物がたくさん住んでおり、子ども達が生き物や豊かな里山に触れあえる場を大切にしたいと考えている。

 月に2回(今のところ第1・3日曜日)、3歳~小学生の子ども達とそのご家族向けの取り組みを実施。また月に1回(第4金曜日の午前中)には乳児親子向けの取り組みを実施。