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掲載日:2021年3月5日

執筆担当:小村・櫻井・菅原

 洛西CHOTTOは京都市洛西地区に住む中高生のための遊び場です。NPO法人らくさいライフスタイルさんと公益財団法人京都市ユースサービス協会さんによって共同運営されています。発起人の竹田さんは、西京区の10代人口が京都市内3位と多いにも関わらず、若者向けの遊び場や居場所が少ないことに疑問を持ち、拠点づくりを進めたそうです。

 “ボクらのひみつ基地”をコンセプトに、若者が集まってゲームやお菓子づくりなどの企画を楽しんでいます。企画内容は若者のやりたいことや意見を元に決められており、主体性を大切にしている場所です。

活動内容を教えてください

 運営のお手伝いと参加者との交流が主な活動です。机・椅子の設置や企画で使う道具の運び出しなどをボランティアスタッフのみんなで分担して行いました。

 活動には中学生のほか大学生も参加しており、主にボードゲームで遊ぶことが多かったです。ボードゲーム以外にも、クッキーを焼いたり、いちご飴を作ったりと各回で内容が異なっていました。ボランティアスタッフも参加者も、みんなで1つの作業を行うことで、仲が深まったように感じています。ボードゲーム中に「よっしゃー!」「悔しい!」と言い合ったり、おやつを食べて「美味しいね」と感想を言い合ったり、そこにいるみんなが素直でいられる空間でした。

印象に残っている出来事やエピソードを教えてください

 外から眺めていた兄弟が洛西CHOTTOに興味を持って参加してくれました。活動の楽しさが他の人に伝わったこともそうですが、人とのつながりや輪の広がりを感じ、自分ごとのようにとても嬉しかったです。

 活動の広がりを嬉しく感じられたのは、自分の気持ちに変化があったからだと思います。最初は活動になじめるか、ボランティアとしてどのように関われば良いのか不安があり、とても緊張していました。しかし、気がつけば自分自身も参加者と同様に楽しんでいました。はじめて訪れる人でもすぐに溶け込むことができ、誰でも歓迎する雰囲気がとても心地よかったです。外の人として関わるのではなく一緒にこの場をつくっている気持ちがあったので、新しい参加者が来てくれたときは本当に嬉しかったです。

活動を通して得られたことや学んだことを教えてください

 活動を行うには地域の理解が必要なこと、何気ないところに活動を続けていくための工夫が施されていることを学びました。活動場所は建物の一部が歩行者から見えるようなガラス張りになっており、中の様子が分かるようになっています。地域の人に活動を知ってもらい、理解を得るための工夫だそうです。SNSやポスター等を使った宣伝だけではなく、建物の造りそのものを利用する発想は私にはありませんでした。活動中、実際に立ち止まって中の様子を見ている方々もおり、小さな工夫が周りの人の理解につながっていくのだと感じました。

 「居場所づくり」は参加者やボランティア、地域の方々などたくさんの人の関わりで成り立っていることに気づけたのも学びの一つです。お互いの理解があるからこそ、活動を続けていけるのだと思いました。

活動に参加する前後でどのような変化がありましたか?

 居場所への認識が変化しました。普段、居場所やコミュニティを特別に意識したことはありません。しかし、コロナ禍で人に会えず、進学のために京都へ引っ越してきたものの誰ともつながりができない状況で、居場所がないと思いました。自分自身がそのような状況におかれたとき、所属や枠のある関係だけではなく、洛西CHOTTOのような誰もがふらっと立ち寄れて、気楽に関われる場所のありがたさや必要性を感じました。

 また、行動することの大切さにも気づきました。今回のボランティアに参加し、洛西CHOTTOに思いを抱く情熱のある大人や、居場所を求めてくる若者など、いろんな方に出会いました。1人で悶々としていた日々を取り返すように、家族や友人・大学のどこでもないところで「自分の居場所」を見つけることができたと思います。行動を起こすことで、どんな環境でも様々な発見と刺激を得ることができるのだと感じました。

今後の学生生活に活かしていきたいことを教えてください

 人との対面での付き合いを大事にしていきたいです。最近ではオンラインゲームでの交流も多く、私自身もその方が便利で楽しいと思っていました。しかし、洛西CHOTTOでみんなと交流する中で、目を合わせて話したり、表情や声のトーンから気持ちを察したり、その場にいるからこそ感じられる心地良さや楽しさがあることに気づいたのです。これまで気づかなかったその人の特徴や性格を知れることも、対面で会う良さだと思いました。

 オンラインは離れている人ともつながれて便利ですが、実際に会ってコミュニケーションをとることで、相手を理解でき、より良い関係性が築けるのだと思います。現在はコロナウイルス感染症の影響で、人と話したり遊んだりすることが難しい時代です。しかし、落ち着いた後には、実際に人に会いにいき、その場の空気を感じ合えるような付き合い方をしていきたいと思います。

最後に、感想とメッセージをお願いします!

【小村さん】

 「洛西CHOTTO」の存在を知ることができて良かったです。以前の大学生活は、下宿先でオンライン授業をこなし、寝て起きるだけの日々でした。孤独を感じ、不満やいらだちを解消する場所がありませんでした。しかし、洛西CHOTTOでの活動は、それまでの生活を忘れさせるかのように、楽しく、無邪気になることができました。最後に竹田さんが「また、いつでもおいで」と声をかけてくださったことが思い出に残っています。また、会いに行こうと思います。

【櫻井さん】

 ボードゲームやお菓子作りに夢中になり、童心に帰った気分になりました。中学生や大学生、社会人など世代を超えた交流もおもしろく、様々な人との関わりが私を成長させてくれたように感じます。誰かのために行動することはもちろんですが、自分自身が新たな人と出会い成長していくためにも、今後も様々な活動に積極的に取り組んでいきたいです。

【菅原さん】

 最初はボランティアに参加するか迷っていましたが、活動を終えた今、挑戦して本当に良かったと思っています。人の温かみに触れられ、コミュニケーションを通して人と関わりを持つことの素晴らしさを改めて感じました。また、新しい人たちと出会えたことに感謝しています。短い間でしたが、ボランティアに参加したことで新たな気づきや学び、気持ちの変化があったので、これからもたくさんの活動に挑戦していきたいと思います。

活動先団体

団体名:公益財団法人京都市ユースサービス協会(中央青少年活動センター)

所在地:〒604-8147 京都市中京区東院通六角下ル御射山町262

WEB:http://ys-kyoto.org/

SNS:https://twitter.com/chotto821(洛西CHOTTO)

 

[団体の理念・活動概要]

団体のミッション(活動目的):子どもから責任ある大人へと成長する青少年を「支援」します。「支援」とは、青少年が家庭、学校、地域社会、職場及び青少年の自主的な活動の場面といった、あらゆる活動場面への参加を通じて、社会と交わり、青少年自身の興味や関心を豊かにし、青少年が必要とした場合、助言、情報、または多様な人的・物的資源を得られるような「機会」を提供しようとするものです。

 

事業概要:青少年が本来持っている力を発揮する場づくり/若者が課題を乗り越えていくための支援/若者の市民参加、地域社会への参加を促す/ユースサービスの活動を広く知ってもらうための活動