トップページ > プログラム案内 > 学生ボランティアチャレンジ >  活動体験コース「 里山整備活動のお手伝い」体験記事

掲載日:2021年3月16日

執筆担当:岡本・中西・村上

 NPO法人ビオトープネットワーク京都さんは、ビオトープの普及や里山保全活動、川の生き物調査など、環境保全のための活動を行っています。今回は「みささぎの森」里山整備活動に参加してきました。「みささぎの森」は京都市営地下鉄東西線・御陵駅から10分ほど歩いたところにある、街中からも近い里山です。

 何十年も放置され、荒れ果てていた里山を再生しようと、2011年から整備活動を始められたそうです。奥田智子さんが主体となり、月に2〜3回、地元の方々や学生ボランティア、近隣の子どもたちなどが集まって活動しています。季節が変わると里山から見える景色も変わり、自然や風情が感じられる素敵な場所です。

活動内容を教えてください

 初回は山に登り、樹木の伐採を行いました。展望台からの眺めをよくするため、のこぎりを使って木を切っていきます。普段長時間にわたってのこぎりを使う機会がないため、予想以上に苦労しました。

 2回目は敷地内に生えている竹やぶを整備しました。この日は年内最後の活動日でした。切った竹はお正月用の門松にし、「みささぎの森」に飾るそうです。春には筍もよく取れるとお聞きしたので、ぜひ行ってみたいと思いました。

 里山整備だけでなく、野菜の収穫やレモングラスを使ったしめ縄飾りの制作なども体験させていただきました。草を撚る(よる)作業が慣れず、団体のみなさんに教えてもらいながら作りました。短い期間でしたが、ここでしかできない経験がたくさんでき、とても充実した活動となりました。

印象に残っている出来事やエピソードを教えてください

 スタッフの皆さんの熱心な表情が印象に残っています。今回で体感しましたが、竹林の伐採や里山整備はかなりの時間と労力が必要です。スタッフの皆さんは大変な作業を苦とも思わない様子で、黙々と一生懸命に取り組んでおり、その姿から「自然を守ろう」という強い意志を感じました。

 

 「みささぎの森」に集まる皆さんのように、自然環境は熱心な想いを持った人たちによって維持されていることを知りました。里山が近くになくても、公園内の清掃など身近な環境の整備や自然を守る努力は個人でできると思います。これからは身近でできることを探し、自然を守っていきたいです。

活動を通して得られたことや学んだことを教えてください

 経験することの大切さを学びました。活動の一環でしめ縄飾りを作ったとき、編むのが難しくなかなかうまくまとめることが出来ませんでした。苦戦する私たちとは異なり、スタッフの皆さんはいとも簡単そうに作っていきます。「なぜそんなに上手く作れるのか?」と不思議に思い尋ねてみたところ、幼少期に草鞋(わらじ)を編んだ経験が活きていると教えてくださいました。そのとき、生活する上で培われた知識や知恵も社会に出ていくまでの大切な経験なのだと気づきました。


 また、会話の中で「“やらない後悔よりやる後悔”で、いろんなことを経験してみるといいんじゃない?」と言葉をかけていただき、「無駄だ、嫌だと感じることでもやってみなければわからない」と考えるようになりました。残り少ない大学生活では積極的に新しいことにチャレンジし、将来役に立つような経験を少しずつ積み重ねていきたいと思います。

活動に参加する前後でどのような変化がありましたか?

 人に流されることが多い性格でしたが、積極性が大事だと考えるようになりました。考えが変化したのは活動中にお聞きした言葉がきっかけです。

 団体のみなさんは活動的な趣味を持つ方が多く、自転車での日本一周を経験された方もおられました。何気ない会話の中で「若い時には勉強ばかりするんじゃなくて色々なことをした方がええよ」と教えてくださり、「ボランティアをするとはどういうことなのか?」を深く考えるようになりました。今までの消極的な性格も含めて考えたとき、何事も人から言われて動くのではなく、自分から求めて行動することが大事だと感じたのです。苦手なことでもまずチャレンジしてみることが大切で、すべてが自分の経験につながるはずだ、と前向きな考え方に変わりました。

 「みささぎの森」での体験が、消極的だった自分を何事にも前向きな姿勢で向き合う自分に変えた大きなきっかけとなりました。

今後の学生生活に活かしていきたいことを教えてください

 幼少の頃から山や森などの自然が身近にあったからなのか、これまでは自然保護活動をどこかで遠ざけていました。しかし、今回「みささぎの森」の活動に参加し、里山だからこそできた新しい体験がたくさんありました。街中で生活していては感じられない刺激があり、今まで里山や自然との関わりを持たなかったことを悔やんでいます。

 ボランティア自体も里山での活動も、やってみることで得られる気づきや学びがたくさんあると知りました。何かを始めるのは今からでも遅くないと思います。今後は興味を持ったことは積極的に挑戦していきたいです。そして、挑戦するたびに自分の行動や思いをふりかえり、学びにしていきたいと思っています。

最後に、感想とメッセージをお願いします!

【岡本さん】

 ACTIONメンバーやボランティア先の方々など、新しい出会いがたくさんありました。大学生活は忙しく、勉強やサークル、就職活動などでボランティアに参加する時間が取れない人もいると思います。今すぐには難しくても、少しでもやりたい気持ちがあれば、時間ができたときにぜひ挑戦してみてほしいです。私自身もチャレンジ精神を持ち続けていきたいと思っています。私が感じたように「みささぎの森」が誰かの居場所になるよう願っています。

【中西さん】

 締め縄づくりや竹林の伐採は私の住んでいる地域ではなかなか体験できないため、「みささぎの森」での時間はとても有意義でした。落ち葉の掃除や竹林の伐採など、地道な作業により自然が維持されていることを学びました。活動を通して自然への考えが大きく変化したと感じます。私も身近な自然を守るために努力していきたいです。

【村上さん】

 性格の変化を感じました。話を聞くだけではなく現地で行動することで、人と協力して作業をする楽しさや自らが主体となって行う楽しさを知りました。自分の新たな一面を見いだせたことに自分自身でも驚いています。

 また、より「ボランティア」が好きになれました。バイトとは少し違う達成感。お金をもらって得られる喜びではなく、人と接することで得られる喜び。そのような気持ちを自分の中で生み出せた2日間でした。今回の経験をきっかけとして、新たな課外活動にもチャレンジしたいです。

活動先団体

団体名:NPO法人ビオトープネットワーク京都

所在地:〒607-8423 京都市山科区御陵山ノ谷34-1

WEB:http://biotopenetkyoto.g1.xrea.com/

SNS:https://www.facebook.com/NpoBionetkyoto

   https://www.facebook.com/misasaginomori/

 

[団体の理念・活動概要]

 人と人、個々のビオトープと地域の自然をネットワークで結び、地域のコミュニティづくりと自然の保全・再生・創造事業をともに進め、よって人と自然が共生できる地域社会づくりに寄与することを目的とする。