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掲載日:2022年3月16日

記事タイトル「コーヒー豆カスの回収からはじまるエコ活動」

執筆:奥田

 GG’s者語さんは、中京区を中心として活動されている市民活動団体です。主な活動内容としては、地域・社会とのつながりが希薄化している高齢者の方を対象として、新たに地域と関わるきっかけづくりの場を目的としたイベントを行っています。

 イベントでは、高齢者の方が「話し手」となり、「話し手」が『自分史』をインタビュー形式で語り、「聞き手」である地域団体、高齢者支援団体の方との交流から、両者をマッチングさせるカフェを開催されています。

活動内容

 今回、私たちはGG’s者語さんの活動内容に対してインタビューさせていただき、実際に活動に参加させていただきました。

 GG’s者語さん代表の椋平さんへのインタビューでは、同志社大学大学院総合政策科学研究科の公開講座である、ソーシャルイノベーション研究プロジェクト「NPOと行政等の協働実践演習」において高齢者の地域課題に取り組む活動が始まった経緯や、地域と繋がれていない高齢者の方に対してどのようにアプローチをするかなど、活動を行う上で重視されている点に関してお聞きしました。

 また、実際のGG’s者語さんでのボランティア活動では、残念ながら当日はコロナウイルスの影響のためオンラインの参加となりました。ですが、普段ではあまり関わる機会のない高齢者の方のお話を聞くことができて非常に貴重な経験になりました。話し手の方の幼少期や学生時代、社会人の時の思い出話などは、私たちとは時代背景が異なるため、とても新鮮なお話が数多くありました。

 私たちボランティア参加者の役割としては、話し手の方のお話のメモをするという役割がありました。お話が興味深かったこともあり、積極的に取り組むことができました。

印象に残っているエピソード

【奥田さん】

 私が印象に残っているエピソードは、話し手の女性高齢者が、60代のときに興味のある文化財について勉強するために、大学に通われ始めたというエピソードです。趣味の範囲で終わらせるのではなく、改めて力を入れて学びを深められた行動から、とてもエネルギッシュな方だと大変驚きました。

 現在、私も大学に通っているのですが、話し手の女性高齢者のように、高い志を持って取り組まなければいけないと改めて気づかされました。

 

【姚さん】

 一番印象に残っていることは、話し手である男性高齢者さんの京都で過ごされた幼少期の生活や、社会人の時に保険会社などの企業で働かれていたお話です。その他にも、父がお茶を飲むことが好きになった影響から、詩吟や茶・歌など趣味もだんだん増えてきたことや、地域活動やボランティア活動に多く参加されていること、テレビ番組に出演されたこと、ご自分のCDもつくられたことなど、様々なご経験をお話いただきました。

 印象に残っている理由は、私は今回のイベントのボランティアとして、男性高齢者さんのお話の内容を整理する必要がありました。私は留学生のため、日本語があまり上手ではなく、録音を何度も聞き直しました。何度も聞いているうちに段々と内容が理解できたとともに、話し手の情熱やイベントの雰囲気に感動しました。イベント全体を通して、本当に楽しかったです。

活動を通して得られたことや学んだこと

【奥田さん】

 今回、この活動に参加させていただいて、高齢者を中心とした地域孤立の問題の深刻さについてより詳しく知ることができ、この問題に取り組むことの重要性についても理解することができました。また、自分たちが普段暮らしている町の中でも周囲との関係が希薄化し、孤立している高齢者の方がたくさんいることに改めて気づきました。

 孤立という問題は、目に見えるものではないため問題として認識しづらい部分はありますが、その現状は孤独死といった形で顕在化しています。そして、少子高齢化の日本の現状を鑑みると、この問題は今後も重大な問題として存在し続けると予想されます。そのため、今回参加させていただいたような、高齢者の方に地域と繋がるきっかけを提供する活動はより重要になると感じました。活動に参加する中で、高齢者の方も繋がりを求めていらっしゃると感じたことや、活動されている方々の強い熱意にふれることができ、非常に貴重な機会でした。

 

【姚さん】

 活動の中で一番上手にできたことは、イベントの講師である新井康友氏(佛教大学准教授)の発言を整理したことです。新井氏の「孤立死する以前の生活状態が問題である。「死」に注目するのではなく、「生」に注目することが大切である。」という話が印象に残っています。高齢者が「死」に注目するのではなく、どのような生活を送りたいのかなど、高齢者自身が「生」に注目することの大切さを感じました。

 私は、NPOや市民活動団体について、最初は知りませんでした。今回のボランティア活動を通して、GG’s者語さんや、GG’s者語さんが参加された、京都市市民活動総合センターさんの複数のNPO や市民活動団体が集い、団体の取り組みを知ることができる市縁堂というイベントを知りました。助けが必要な人を助けることに関心を持つ組織や団体がこんなに多いということを知ることができてよかったです。

活動先団体さんへのメッセージ

【奥田さん】

 今回は、GG’s者語さんの活動に参加させていただき、ありがとうございました。実際に活動されている市民活動団体さんについて知ることができ、非常に良い経験になりました。この活動に参加したことで、高齢者の方の孤立に関する地域課題について以前よりも興味を持ちました。また、高齢者の方を中心とした孤立問題の深刻さを改めて感じることができました。

 私は、今回参加させていただいたGG’s者語さんのような活動に関心があり、今後も高齢者の方の孤立問題に関わっていこうと考えています。今後も、GG’s者語さんのような活動が必要とされる機会が多くなると予想されることから、私自身も違う形で関わっていきたいと思います。改めて、貴重な機会をありがとうございました。

 

【姚さん】

 今回の活動で高齢者の方に接して、彼らの自分史とその中で直面した困難を理解し、日本の高齢化社会についてもより深く学ぶことができました。また、社会に高齢者の問題があったからこそ、高齢者を助ける団体ができたのだと感じました。私たちは高齢者の方にもっと関心を持つべきだと思います。なぜなら、私たちが高齢者に関心を持つことは、私たち自身が将来高齢者になったときにもつながるからです。

 GG’s者語さんへのインタビューでは、京都府庁に行くと思っていなかったため、貴重な経験の一つとなりました。大学院では、インターネット等のIT分野について専攻しています。コロナ禍の影響によってオンライン授業も多く、日本社会や人と関わる機会が少なく、外国人留学生としてもっと日本の社会に触れたいと感じました。

 これからも色々なボランティア活動に参加し、多くの日本の社会に触れ、日本人との交流も増やしていきたいです。

参加プログラム

活動先団体名

GG’s者語(じーじーずものがたり)

団体の理念・活動概要

■団体の理念

 独居高齢者世帯等の増加(孤立化の危惧)、地域の支え合い機能の低下、高齢者の社会参加に対する意欲は高い等の状況を踏まえ、孤独を感じておられる高齢者の孤独感の解消を図り、新たな仲間を受け入れる高齢者支援団体等の活動活性化や、地域の支え合い機能向上に資する活動を行っています。

 

■活動の概要

①自分史カフェ

 地域との繋がりの少ない高齢者が自分史を語り、高齢者支援団体等と交流することで地域デビューを図るイべントを開催

②思い出聞き書き講座

 高齢者インタビューのスキル向上を図る講座を開催

③高齢者の孤立問題の意識向上

 高齢者の孤立問題の意識向上を図るため、普及啓発を実施

団体連絡先

住 所:京都市左京区

メール:grandpama.story@gmail.com

SNS:https://www.facebook.com/grandpama.story/