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掲載日:2022年4月2日

記事タイトル「コーヒー豆カスの回収からはじまるエコ活動」

執筆:中島・藤本・中村

 ネイチャーキッズ京都さんは、月に一度、小学生を対象にアウトドアでのプログラムを企画・運営し、京都を中心として、近畿圏をフィールドに活動している団体です。企画・運営するプログラムは、「遊び」を通じて色んな事を学び、「経験」の引き出しを増やしてほしいという思いから、「遊び」×「絆」をコンセプトとしています。

 活動中の子どもの見守り役であるリーダーは大学生を中心に、高校生から社会人までがボランティアとして活動をしています。今回、私たちもそのボランティア活動に参加させていただき、「自然のなかでの遊び」と「絆」から多くのことを学びました。

活動されている方へのインタビューを通して

 インタビューでは、ネイチャーキッズ京都さんで活動している大学生のKさんにお話しを伺いました。活動の理念についてお伺いすると、「ネットで遊んだり、調べたりすることは一人でもできるけれど、そういうつながりではない、『遊び』を通しての人とのつながりを経験してほしい。そして『経験』の引き出しを増やしてほしい。」と教えていただきました。

 また、活動に参加されたきっかけとして「1回目の活動への参加では、明るく喋りかけてくれる子ども達ばかりで楽しいと感じて、2回目も参加してみました。すると、子ども達は自分のことを覚えていてくれてすごく嬉しかった。そこから、これからも続けてみようという気持ちが芽生えて、現在まで活動を続けている。」と話されていました。

 そして、活動の企画・運営に関わられる中では、例えば子ども同士の相性や特性によって、チーム分けを考えることや、プログラムの準備をすることが大変だとおっしゃっていました。しかし、大変さの中にも、子どもと気取らずに対等な関係を築き、同じ目線でプログラムをみんなで楽しむ団体の雰囲気や、子どもの成長が嬉しいと、活動中のエピソードをお話しいただくこともできました。

 Kさんのお話を通して、活動や団体を運営するなかで苦労や大変さはあったとしても、活動を共にするメンバーや子どもたちと過ごす楽しさが伝わってきました。。インタビューを行う前には、ボランティア活動に向けて不安が大きかったですが、自分自身が楽しむことが大切だと感じました。

今回の活動内容

 「いただこう自然の恵み〜柚子の収穫&しぼり体験〜」プログラムでは、京都市右京区にある水尾という地域の、都会とは違うゆったりとした時間の流れや空気感を堪能し、その歴史を含めた良さを知ることや、活動を通して子どもたち同士が話し合い、皆から意見を引き出すことを目標に活動しました。

 まず、保津峡駅から1時間半程度山を歩き、水尾の里に行きました。山の道路の端に少し積もった雪で遊ぶ子や学校の話、好きなものの話をみんなでしながら、マスクで息苦しくなりながらも楽しく歩きました。

 水尾の里に到着後は、普段滅多にすることのできない水尾の名産品である柚子の収穫を体験しました。柚子の木の枝にはとげがたくさんあるので、身体を守るために分厚い上着を着て、帽子を被って収穫に挑みます。「あの柚子がとりたい」「高いし、奥にあるけどがんばろうか」と子どもたちの意思を尊重しながら、活動しました。お昼には収穫したての柚子の果汁をお味噌汁に入れ、香りを楽しみました。

 昼食後はグループにわかれて、お題として出された水尾の街が写っている写真と同じところを探して写真を撮り、得点を競い合うフォトロゲイニングをしながら街を散策しました。性別も学年も異なるグループで、どうしたら1位になれるか話し合いました。清和天皇ゆかりの地や、ちょっとおもしろくてかわいいお地蔵さん、柚子風呂と鶏鍋の店を巡って写真を撮りました。最後には、収穫したゆずを使った果汁の炭酸割や、果汁を使った蒸しパンをみんなでいただきました。

活動中の印象に残っている出来事やエピソード

 初めてのボランティア活動を通して、子どもたちやボランティアの方とも思い出を共につくり、交流をするなかで、印象に残ったことがたくさんありました。その中でも、特に印象に残った3つを、エピソードと共に紹介していきます。

 1つ目は、子どもたちと名前を呼び合うことです。ボランティア活動中は、ネイチャーキッズ京都さんの方針から、ボランティアスタッフは愛称で呼ばれます。私たちも子どもたちの名前を覚えようと頑張っていましたが、子どもたちも私たちの名前を覚えようと、たくさん呼んでくれました。子どもたちは一気に4人も馴染みのない私たちの名前を覚えるのは大変で、「名前なんやった?」と聞かれることもありました。それでももう一度、子どもたちに自分の名前を伝えて、呼びかけられるたびに、こちらの緊張が解れていくことを感じました。名前を呼びあうことはお互いの距離を縮めるための工夫だと思いました。

 2つ目は、活動中の子どもたちの変化が伝わってきたことです。例えばフォトロゲイニング開始直後は、子どもたちが思い思いに行動をしようとして、行き先がなかなか決まらなかったり、仲良しの子とばかり話していたりしていました。しかし、次第に地図や写真を見せあって、「目標地点にはどのルートで行けば早くたどり着けるか」を皆が意見を出し合い協力するようになりました。今回の目標であった、活動を通して子どもたち同士が話し合い、お互いに意見を引き出すような交流ができているなと感じました。

 その他にも、水尾の里に行く道中や街中には、大人の足でもキツく感じるような急な山道や坂道があります。1人の子が「もうムリ、歩けない。」とその場で足を止めてしまいます。その時、同じ班のメンバーの子たちは一言も文句を言うことなく、「頑張って」「もうすぐだよ」と声をかけてあげたり、背中を押してあげたりして応援していました。そのおかげで全員が目的地に辿り着き、制限時間内にゴールすることができました。1日の活動の中に子どもの精神的な成長や優しさを感じる場面が多く、温かい気持ちになりました。

 3つ目は、ネイチャーキッズ京都さんのスタッフの方の接し方です。子どもたちを見守る中で、子どもたちのやんちゃが過ぎるとき(危険な場所に近づくなど)には、ボランティアスタッフの方は優しくもしっかり注意をして危険を回避されていました。また、子どもと同じようにはしゃぎながら、子どもたちに活動を楽しんでもらう工夫もされていました。このように、子どもたちそれぞれの特性や視点に合わせた接し方は、私たちが子どもたちと接するときの参考になりました。

活動を通して得られたことや学んだこと

【中島】

 保津峡の景色がよかったです。同じ京都に住んでいますが、空気が澄んでいて空間が広く感じるような景色があるとは知りませんでした。コロナが落ち着いたら雄大な自然を満喫する海外旅行することが目標なのですが、日本や近くの自然とふれあうことも楽しいことを実感しました。私の住んでいる町では体験できない水尾の地域らしさを感じました。そしてその感動を共にする人がいる嬉しさが大切だと思いました。

【藤本】  

 自然に触れて遊ぶことが子どもにとって、どんな成長に繋がり、完成を磨く場なのか、また経験の貴重さを実感しました。だからこそその場や機会を提供するネイチャーキッズ京都さんの活動は、大変ながらも子どもたちやそのご家族に必要とされているのだと思いました。

【中村】

 活動は、バスの時間や山を歩く時間の関係で、当初の計画通りには進まないこともありました。そういったときに柔軟な対応が必要とされ、子どもたちをどのように誘導すればいいかを考えたり、私にできる手伝いがないか積極性をもったりするなど、新しい経験ができました。例えば当初の予定ではあったプログラムを一部カットして生まれた時間で電車を待つまでに保津峡を少し歩いて美しい景色を見ることができました。このような計画を変えたり削ったりという柔軟な対応で、計画よりも良いプログラムになることを実感し、その大切さを学びました。

活動に参加する前と後での気持ちの変化

 活動に参加する前は何があるか、どんな子がいるか、スタッフさんはどんな人なのか楽しみよりも不安が強かったです。特に子ども達とのコミュニケーションへの不安が強かったです。うまく話せるか、楽しんでもらうことができるのか考えすぎていたことに気づいたのは、子どもたちの方から明るく話しかけてきてくれて自分自身も楽しんでいたときです。ネイチャーキッズ京都さんの代表である、大熊さんと2人でお話しさせていただいた際、「子どもを楽しませるのが目的ではなく子どもと一緒に楽しめばいい」とおっしゃっていたのはこのことかとハッとしました。

 また活動前は、ボランティア活動は一人ひとりが動くものだとおもっていましたが、実際は同じ目標をもって動く仲間がいました。頼れる仲間とボランティア活動で出会えること、一緒に活動することの楽しさや面白さ、苦労を活動全体から学びました。ボランティア活動はひとりではできない経験だと感じました。

今後の学生生活に活かしていきたいこと

 

 【中島】

 誰とでも交流することを恐れずに、お互いに尊敬しあう関係を築く姿勢でありたいです。男女や子どもだから、大人だからといった偏見をもたないことが必要だと考えます。ボランティアは普段の生活では関わることのない人と出会う場であることを実感しました。今後もそういった場に積極的に参加して、人と関わることの楽しさを感じながらコミュニケーション力を磨きたいです。

【藤本】  

 「『こうしてはダメ』『こうしなさい』などの枠にとらわれず自由にのびのびと行動できる雰囲気を大切にしたい。」と大熊さんがおっしゃっていて、今回の活動を通じて、子どもたちの意見を尊重するといった点で、「みんながこうしているからこうしないといけない」などの固定概念を持たず、自分の意思をはっきり貫くことができるようになりたいです。

【中村】

 プログラムを行う際に、狙いをはっきりさせ、その達成を考えながら実行することを活かしていきたいです。

参加プログラム

活動先団体名

ネイチャーキッズ京都

団体の理念・活動概要

 私たちは「遊び」の体験が子供の心と身体の成長を促し、人生を豊かなものにすると考えています。人と人の「つながり」や「絆」を大切にしながら、できるだけ枠にとらわれず、自由にのびのびと行動できる雰囲気を大事にしたいと考えています。

 教員や保育士など対人援助職を目指す大学生を中心に、大学生~社会人までが在籍し、小学生を対象にしたアウトドアでのプログラムを企画・運営しています。子供たちが楽しみながら成長していけるように、話し合いを重ねてプログラムを企画・運営しています。子供が好きな方、アウトドアの活動が好きな方、何か新しいことを始めたい方、ぜひ私たちと一緒に活動しましょう!

団体連絡先

住 所:〒616-819 京都府京都市右京区太秦中山町29京都ユースホステル協会内

電 話:075-462-2312

メール:naturekidskyoto@gmail.com

H P:http://yh-kyoto.or.jp/

SNS:https://www.facebook.com/naturekidskyoto